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哲学とはどのような学問なのか
皆さんは哲学について考えたことがあるだろうか。
なかなか触れる機会の少ない学問かもしれませんが、このコラムで少しだけ、哲学の歴史に触れてみたいと思います。
まず、哲学とはそもそもどのような学問なのでしょう???
それは一言でいえば、“真理を追究する学問”と言えます。
哲学の発祥
その起源は、紀元前7世紀から6世紀頃、ギリシャの小さな港町 ミレトス で生まれたと言われています。
【ギリシャ:ミコノス島 白壁の街並みとカト・ミリの風車】
なぜ、港町 ミレトスで生まれたのでしょうか。
そこには地中海じゅうの民族が集まり、交易をしていたことから、他民族との様々な交流が生まれ、その中から哲学は生まれました。
それぞれの民族には、それぞれの文化があり、遺伝子としてそれが根づいています。
それぞれの異なる文化(価値観)を持つ民族が集まり、交流すれば自ずと議論となります。
例えば、ある民族は、太陽神が唯一の神であるという。ある民族は、神は森へ宿っているんだという。また、他の民族は、海神が私たちを守ってくれるのだという。
そんな様々な議論から、神とは何か、世界とは何かという、真理を追究する問答へと発展していきました。
【ギリシャ:デロス島 ライオンの回廊】
デロス島は、ギリシャ神話、ゼウスとトレの子供である太陽神アポロンと月の女神アルテミスが生まれた場所とされ、1990年世界文化遺産へ登録された。
哲学の祖は、一説によれば古代ギリシャのソフィストであったタレスと言われています。
その頃の哲学は世界の根源とは何かを問うていました。
タレスは世界の根源は水であると定義します。
様々な古代ギリシャのソフィストたちが、世界の根源について問答を繰り返します。
哲学の語源は、ギリシャ語 φιλοσοφία(philosophia:philo = 愛する、sophia = 知)に由来しています。すなわち、知を愛する学問であり、人間、世界、事物の本質を理性によって求める学問です。
その後、BC5世紀からBC4世紀にかけ、古代ギリシャ哲学者ソクラテスが現れます。
【ギリシャ:デルフィの考古遺跡】
古代ギリシャ時代、デルフィ古代遺跡のアポロン神殿は全世界の中心と考えられていた聖地であり、多くの巡礼者が訪れた。1987年世界文化遺産へ登録された。
ソクラテス以降の哲学は、人間の本質を求めるようになります。
その後、弟子のプラトン、その弟子のアリストテレスらが古代ギリシャ哲学を発展させることとなります。
【ギリシャ:パルテノン神殿】
パルテノン神殿は、古代ギリシャ時代にアテナイのアクロポリス上に建てられたアテナイの守護神であるギリシャ神話の女神アテーナを祀る神殿。
哲学の衰退
しかし、BC4世紀に古代ギリシャのポリスはマケドニアに制覇され、次に、ローマ帝国の支配に置かれると、ギリシャ哲学も衰退の兆しを見せ始めます。
そして、その後、中世ヨーロッパはキリスト教の時代へと突入し、神学の強い影響の下、哲学は長い間、日の目を見ない時代が続くこととなるのです。
【ギリシャ:アテネアカデミー】
アテネアカデミーはギリシャで最も美しい建築物のひとつであり、世界で最も美しい新古典主義建築物とも言われている。
プラトン(左)とソクラテス(右)像が見られる。
哲学の復活と近代哲学の始まり
14世紀に入り、十字軍の遠征による商業都市の発展、それに伴うイスラム教の世界観の流入など、キリスト教に翳りが出始めると、古代ギリシャ アリストテレスの哲学が見直されます。
その後、15世紀以降、ローマ帝国の滅亡に伴うルネサンス時代の到来、コペルニクスの地動説、ニュートンの万有引力の法則など、自然科学が発展するとともに、マルティン・ルターによる宗教革命など、神ではなく、人間への関心が再び高まる時代が到来しました。
そして、これが、近代哲学の始まりと言われています。
16世紀以降、近代哲学の祖と言われるデカルトが現れ、その後、カント、ヘーゲル、ニーチェ、現象学を確立したフッサール、実存主義を唱えたサルトル、構造主義のレヴィストロース等が様々な哲学を展開することとなるのです。
興味ある方は是非、哲学に触れてみてはいかがでしょうか。
Let’s Enjoy Philosophy!!!
注)本文と写真に関連性はありません。