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はじめに
私たちは普段何の疑いもなく、無意識に唾液は出るものだと思っています。
そして唾液とはどんな役割をしていて、唾液がどんなに重要なのかを考えることなどありません。
恐らく、一度もそんな疑問や問いに出会わない人々が殆どでしょう。
そんな中、私は唾液の重要性を知る体験をすることとなりました。
唾液とは
唾液は、唾液腺という場所で血液の成分から作られます。
唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺という3つの主な唾液腺があり、
これらの唾液腺が1日に1~1.5リットルの唾液を作りだすのです。
唾液の約99.5%は水分でできており、残りの約0.5%は無機成分として
カルシウム、リン酸、ナトリウムなど、有機成分として
ムチンや抗菌・免疫物質などが含まれています。
私はある時、唾液が出にくくなってしまいました。
こんな体験がなければ一生唾液について調べたり、考えたりすることはなかったでしょう。
唾液の機能と役割
食べ物を口に入れた時、最初に食べ物と出会うのが唾液です。
それは口内の全ての場所に唾液が付着しており、唇にしても、舌にしても、歯にしてもそうです。
その唾液によって食べ物に湿り気が与えられ、食べ物を柔らかくし、
食べ物の味をオブラードに包み、食べ物をスムーズに喉の奥まで運んでくれます。
私は唾液が出にくくなって、とても大変なことに気づきました。
もし唾液が出なかったらどうなるのか皆さん想像できるでしょうか。
私はこのことを実感しましたが、唾液が出ない、出にくい状態では食べ物を食べることが非常に難しくなります。
唾液が出にくくなり大変なこと
まず、水気の少ない食べ物を口に入れた時、パサパサな感覚を感じることとなります。
フライドポテト🍟を口に入れたと想像してみてください。
普通であればフライドポテトは口に入れた途端、唾液によって包まれ、
フライドポテトに水気が加わることで柔らかくなり、味にまろやかさが加わり、
噛みやすく、飲み込みやすくなります。
しかし、唾液が殆ど出ない状態では、口に入れたフライドポテトを歯で噛み砕くときにパサパサであり、
口に入れる前のあの硬さや触り心地のままなのです。
そうすると全くと言っていいほど味に旨味がなく、歯で噛むのにも一苦労します。
そして、口から喉へとそのフライドポテトを運び、飲み込むのにも苦労します。
これがあのフライドポテトなのかというほど、別物へと変容するのです。
これにより、美味しいという食欲を満たす感覚が薄れます。
そして、食べかすが唾液で流されないため、歯にこびりつき、この後始末にも手をかけざるを得なくなります。
また、日常生活においても水が必要不可欠となり、私はミネラルウォーターを肌身離さずに持ち歩いていました。
唾液が少ない分、口内の乾きがすぐに訪れるのです。
また、口内全体が乾燥し、話すのさえも上手くできない状況が起こります。
恐らく、渇きによって唇や舌、口の動きにスムーズさがなくなるのでしょう。
私は唾液を出すために、耳下腺、顎下腺、舌下腺を指でマッサージしたりもしました。
少しはこれにより唾液が出るのですが、
本来は水のような唾液が出るはずなのですが、粘り気のあるベタベタした唾液しか出ませんでした。
粘着系の唾液の多くは舌下腺から出ています。
その時は耳下腺と顎下腺の働きがうまく機能していなかったのでしょう。
年齢とともに唾液の量は少なくなりますが、唾液を意識するレベルまで少なくなることはないように思われます。
現在は既に元通りになり、当たり前に食べ物を容易に噛み砕けます。
この体験によって、歯で噛むという動作にも唾液がとても重要な働きをしていることを思い知らされました。
当たり前があたりまえでない体験により気づいたこと
私たちは口の中には必ず唾液があり、湿り気と潤いを与えているものだと疑いません。
しかし、私はそんな当たり前のことが当たり前でない体験により、
身体の仕組みを知るとても重要な機会を得ました。
この体験により、「私たちが普段から無意識にやっていることは当たり前ではあるけれども、当たり前ではない」ことに
気づかされました。
人間の身体は不思議であり、奥深く、様々な身体の機能が複雑に絡みながら私たちは存在しています。
そして一時的に失った唾液という機能も私が生きる上で必要な機能であり、今はその機能を取り戻せたことに感謝しています。
そして、身体の機能を十分に理解しながら日常を過ごすなら、
もっともっと私たちは私たちの身体へと優しさを向けられるのではないかと思います。
そんな優しさを向けながら過ごす日常生活や人生は豊かで生き生きとしたものになるのではないでしょうか。