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澄み切った青空が印象的な秋晴れのある日。垂水市への旅は、フェリーから始まりました。目の前には見慣れたはずの桜島。なのに、つい、カメラを向けてしまうのは、その偉大さに心打たれるからなのでしょうか。

さぁ、いざ乗船。
フェリーに乗った際のお決まりの儀式といえば…そう、"うどん"です。
温かいダシが効いた素朴なうどんを一口。身体中に染み渡るお出汁が最高です。船上ということもあり、非現実な状況が「今から旅が始まる」という期待感を高めてくれます。

その期待を胸に、私が目指したのは、黄金色の楽園、『垂水千本イチョウ』でした。

園主である中馬吉昭さんが東京から帰郷した昭和53年、荒廃した山を見て「垂水市内や錦江湾・薩摩半島の眺めが良いせっかくのこの場所をどうにかしなくては」という思いから、奥様の信子さんと二人三脚で開墾され、4.5ヘクタールの敷地に約1,200本のイチョウを植樹。現在も手入れをし、約40年の時を経た今でも、美しい景観を維持されているとのこと。
ちなみに奈良の吉野千本サクラをもじって垂水千本イチョウと名付けたそうです!


澄み切った秋の青空を背景に広がるイチョウの葉は、太陽の光を浴びて透けるような黄金色。しかし、その黄金の合間には、まだ力強い緑色も残っていました。
そのグラデーションこそが、人の手で長い時間をかけて育てられてきた、生きている証のように感じられました。

そして、旅の仕上げに向かったのは、海沿いに位置する道の駅たるみずはまびら『たるたるぱあく』。
ずっと気になっていた道の駅。店内に入ると"気になるもの"がたくさんありすぎて厳選するのに時間がかかりました(笑)
その中の一部をご紹介↓

ひときわ賑わっていたのが、ソフトクリーム売場!
行列ができていましたが、もちろん並びました!
期間限定で紅はるか味があり、この言葉に弱い私は紅はるかとミルクのミックスをチョイス。THE芋!と濃厚なミルクに満足感は最高潮に。幸せな気持ちで道の駅を後にしました。

夕焼けを観ながら帰りの船へ。
やはり"旅"の終わりは、どことなく寂しさを感じます。
でも、儀式は忘れていません。
フェリーに乗ったら、そう!"うどん"です。夕食と称して静かに儀式を遂行しました。

デッキからは鹿児島市内の街の灯りと桜島の稜線を交互に見ながら今日一日を想いました。
人の積み重ねた時間と多くの労力で作り上げられた『垂水千本イチョウ』はただの樹木ではなく私の心に何かの思いを残したようです。
船の推進に呼応する波音は前に進む力強いリズムのようで、暮れ行く海の上で充実感を持って小さな旅が終わりました。








